母の眠り

ニューヨークでライターとして働くエレンは、ガンを患う母の看病のため帰郷を余儀なくされる。両親との関係、仕事のこと、看病で溜まっていくストレス。しかし母と過ごす内に、平凡だと否定していた母の生き方を見つめ直し、母の才能、強さを知っていく。そんな間にも母の病状は悪化していく。


家族の関係性はよくある感じの設定だったが、親子の関係、親の在り方など感じるものが多かった。

いつも平凡なことで楽しそうに、明るく振る舞う母が死期を前に語る本音。

家族を守るためたくさんの我慢や妥協をしていたこと、愛があったから乗り越えられたこと。

どんなわだかまりがあろうと、自分の歴史の一部である親を否定し続けて生きていくことの不幸せさ。

自分の気持ち次第で簡単に幸せになれる。

あなたはたくさんのものを持ってる。

持っていないものや持っていないと思い込んでいるものを追い求めずに、ただあなたの持ってるものを愛せばいい。

母親役のメリル・ストリープの訴えかけるような話し方、弱っていく姿、苦しむ姿がリアルで。

普通に行けば、いつか経験する親の死。

弱っていく姿、苦しむ姿、子供に気を遣ったり弱音を吐く姿を目の当たりにしたとき。そういう看病の課程が辛いだろうと。

苦しさから死を望む母を、楽にしてあげようとするが思い止まるエレンの姿。

家族さえも、家族だからある隔たり、知らない一面。当たり前のことなのにどこか寂しくもあったり。

ふと感じる、親の人生の先輩の部分。だてに倍以上生きてない。経験がものを言う。自分の未熟さも知る。

理想の家族ってどんなだろうと。